第23回米百俵賞特別賞（2019年6月15日表彰）
受賞者　荒川　勝巳さん（ケニア共和国）

荒川勝巳氏は、昭和６０年、ケニアとの関わりを持った。その後、ケニアの児童養護施設でボランティアとして働いたあと、ケニアの貧困家庭の子どもたちの支援のため、ケニア人の友人2名とNGO「サイディア・フラハ」を平成5年に設立した。
平成5年に、幼稚園を開設。近隣のスラムの子どもたちを対象にし、授業料が低額でありながら質の高い就学前教育を行っている。現在70名が在籍し、300名が卒業。
平成8年には児童養護施設を開設。ケニアでは親が病気等で亡くなり、子どもたちがあとに残されるケースが少なくない。両親を亡くし十分な養育を受けることのできない3歳から18歳までの子どもたちを保護養育している。現在15名が在籍し、60名が卒業した。
同年、裁縫教室を開設。高校へ行く機会がなく低待遇の職に就いている女性を対象に、裁縫技術の訓練を行っている。現在13名が在籍し、550名が卒業。卒業生の多くは繊維産業の会社に就職している。平成23年には縫製工房を開設し、より高い技術を身につけている。
平成26年には小学校を開校。体育・美術・読み聞かせなどにも力を入れ、人格形成を目指す教育を行っている。設立5年で110名の児童が在籍している。
児童養護施設、幼稚園、小学校を開設し養育・教育を行うとともに、自立のための裁縫教室等により技術訓練を行うなど、長きにわたり、ケニアの子どもたちの将来を見据えた人材育成に取り組んでいる。